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ポルトガルの首都リスボンで200年前に生まれた大衆音楽ファドを日本とリスボンで活動するファディスタMACHAKO(浅井雅子)が楽しく紹介します。浅井雅子のウェブサイトはこちら。http://www.machakocanta.com/


by MACHAKO

一元さんお断り?そしてマナーについて

こんにちは浅井雅子です。

とっても頑固なおやじの店で
一元さんお断りな雰囲気がある。
ような場所に行ったことありますか?

実はそういうこと。
音楽の世界でもちょっとありますね。

ファドは特に
「閉じているイメージ」があるので、
そこに集まる

「いい空間
静かな空間を
壊したくない」

気持ちの表れから??なのか。
「そういう場所」に当たることがあります。

そこに居心地の悪さを感じてしまう人もいるし逆に
居心地がいいと思う人もいるんでしょう。

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これは個人的な意見です。

私は音楽の現場には

「静かにしなくてはいけない」

というのを「強制」するよりは

「自然と静かになってしまうくらい上質なものが
音やたたずまいに流れたからお客も自然と静かになった」

という流れを大事にしています。
それが自然です。

ライブをしていてその最中に
お客さんがどうしても話したくて仕方がないときがどうしてもある。

その時、
「きちんとしたチャージをきちんと支払ってみるような場所」であれば、
お店の人がお客様を注意すべきだとも思います。
他のお客様と平等の環境にならないからです。

そういう場合は
ライブの場ではよくありますよね。

リスボンの高級なファドの店でも
そういうことにぶち当たったことがありました。


マナーというのは本当に
大切なものです。

しかし。です。

あまり強要するのはいかがなものかと、私は思うのです。

演奏者のほうで
あんまりピリピリした感じが出ているのもね・・・
演奏者だけではなく、その場全体になにか
ピリピリしたものがあると、
どうも空気がすえません。

ミュージシャンがあまりにもそうだと。
ご自身から「空気を壊している原因」になりかねませんですよ。
(特に狭い空間では)
時々勘違いしているものを、見かけます。。。
窮屈な雰囲気というのかな。


クラシックのコンサートで
本当に咳払い一つできないというものはまた別なのでしょうが。

やっぱり自然と静かになるオーラや
音楽や姿を持ってるアーティストの前で

たやすく声を出すことはお客様もできないものです。

ざわついていた店内が
本物のアーティストがでてきたとたんに
シーンとなる。

本物は、シレンシオと大きな声でいうまでもなく

でもその裏には、

音楽やお客様に大きな愛情があると思います。

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一番大事なものは愛情です。

その現場に集まった人たちをそのまま全部
すっぽりと愛している風情のあるミュージシャンであること。

愛情のないテクニックだけのものや
物まねの芸当
こういうふうにやるもんなんです。

では

本物のシレンシオは決して生まれることはないと、思います。

もっともっと愛情あふれるミュージシャンでこの世の中が満ちていくことを
望んでいます。

マドリッドのとあるタブラオで
大声で話しまくっているデリカシーのまったくない中国人の観光客の集団がいました。

踊っていたバイラオーラが踊りを辞めて

「私たちは今ここにいる人たち全員のために仕事をしています。
お願いですから見に来た人に迷惑にならないようにして」

ときっぱりと言い切りました。

心の中で拍手をしている会場の雰囲気を味わえました。

「この音楽は静かに聞くものなので物音シャットアウト」

なんていわなくても

キモチがあれば伝わるし、
その場を気持ちよくするために
演者がいます。

静かにするもんなんだから
そうしてくれ。

では伝わらないのは、その底辺の愛情の部分でしょう。

愛情とテクニックとで満ちていたプロのフラメンコのタブラオ、
決して、観光客の前で踊っているというだけの見世物ではない
魂を感じる瞬間でしたよ。






by machafado | 2014-05-20 13:21